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「…で、そいつが黒幕だって踏んでんの?」 目の前で寿司を頬張るハルに頷く。 「ふうん……なるほどな。それ芹生くんに伝えてやった?」 「……音信不通」 「ありゃ…」 ため息をついてえんがわに手を伸ばす。電話も出てくれない、メールの返信もない。これ以上どうすれば良いのか分からなかった。 「…会いに行ってみたら?」 ガリを皿に盛る様子を見つめて、考える。目を伏せる俺へ続けられた言葉。 「それでも無理なら俺が何とかするよ」 皿からハルに目を移して、首を縦に振った。 楓くんの大学に来るのは久しぶりな気がする。あてもなく歩くのは時間の無駄だと、スマホを取り出した。 『細田くん、突然ごめん。芹生くんって今どこに居るか分かる?』 『お久しぶりです!あいつなら次の教室に移動しましたよ』 すぐに返ってきたメッセージと、教室の番号に感謝してそちらに足を向けた。 目当ての教室に辿りついて、中を覗くと。1人の女子と連れ立って出てくる楓くん。慌てて柱の陰に身を隠し、少し迷って後をつけることに。 (これは…もしかすると……) 予想通り、人気のない場所まで移動した彼らの雰囲気は俺もよく知るもので。 「あー…ええと、いつも仲良くしてるし、急にこんなこと言われても…って感じだろうけど」 そう前置きした彼女が小さく息を吸って。 「…あのね、芹生くんのことが好き、です」

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