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ハルと2人がかりでシャッターを押し上げ、ざっと室内に視線を走らせる。 少し奥、簡素なベッドを目にした瞬間、血の気が下がる音を聞いた。 その場に崩れ落ちかけるのをすんでのところで堪えて、横から飛び出したハルを視界の隅で捉える。 「何だお前ら!」 「テメェ今撮影してたのか!?」 「……邪魔」 スマホ目掛けて飛び掛ってくる男達を一蹴した後、ベッドに駆け寄るのを認めてほっと息をついた。 中央よりも手前、椅子に座る男に意識を移す。こちらを振り返ろうともしないその姿。 前に回り込むと優雅な微笑みを浮かべていて。場にそぐわないそれを見た瞬間、思わず掴みかかっていた。 「…良く分かりましたね」 口元を歪めて笑う、その表情に既視感を覚える。何にせよ、あの屈託のない笑い方とは全くの別物だ。 「もしかして……」 「あれ、やっと気付きました?もっと早くバレると思ってたんだけどなぁ」 すっと立ち上がった目の前の双眸が細まる。紛れもない憎悪に染まったそれを瞬かせ、こう続けた。 「………お久しぶりです、三井先輩」 楽しげな声音と裏腹に、込められた敵意は甚大で。 一瞬にして蘇る、過去の思い出。

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