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141.
ハルと2人がかりでシャッターを押し上げ、ざっと室内に視線を走らせる。
少し奥、簡素なベッドを目にした瞬間、血の気が下がる音を聞いた。
その場に崩れ落ちかけるのをすんでのところで堪えて、横から飛び出したハルを視界の隅で捉える。
「何だお前ら!」
「テメェ今撮影してたのか!?」
「……邪魔」
スマホ目掛けて飛び掛ってくる男達を一蹴した後、ベッドに駆け寄るのを認めてほっと息をついた。
中央よりも手前、椅子に座る男に意識を移す。こちらを振り返ろうともしないその姿。
前に回り込むと優雅な微笑みを浮かべていて。場にそぐわないそれを見た瞬間、思わず掴みかかっていた。
「…良く分かりましたね」
口元を歪めて笑う、その表情に既視感を覚える。何にせよ、あの屈託のない笑い方とは全くの別物だ。
「もしかして……」
「あれ、やっと気付きました?もっと早くバレると思ってたんだけどなぁ」
すっと立ち上がった目の前の双眸が細まる。紛れもない憎悪に染まったそれを瞬かせ、こう続けた。
「………お久しぶりです、三井先輩」
楽しげな声音と裏腹に、込められた敵意は甚大で。
一瞬にして蘇る、過去の思い出。
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