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スマホを取り出したところで、電池が少ないことに気付いた。携帯型の充電器を取り出そうとするが、コンパクトであるがゆえに中々見つからない。
確保したUSBケーブルだけを机の上に置いて、なおも探し続けると。
「…あった!」
ケーブルに伸ばした手は空を切って、思わずそちらを見やる。
「えっ…ちょ、ミウちゃん!?」
チリン、と。鈴の音を軽快に響かせながら去っていく彼女の口には細長いケーブルが。
おもちゃと勘違いしたのだろうか。何にせよ、間違って飲み込んだりしては大事だと慌てて後を追う。
「ミウちゃーん…?」
あまり動き回るのも気が引けるし、早いところ見つけなくては…と思いながら、音を頼りに捜索する。
「こんな所に…探したんだぞーもう…」
猫はやっぱり狭い場所が好きなのか、ベッドの下に潜り込んでいて。とっくに離したであろうケーブルには見向きもせず丸くなっている。
そのまま立ち上がろうとして、ふと気付く。ベッドの下、隅に鎮座する茶色い紙袋に。
(……いや、そんな…まさか)
中学生じゃあるまいし、彼がそんなものをここに置いておくはずがない。
…と、言い聞かせるが、好奇心が勝ってしまった。
中を見るだけなら…と断りを入れて、おそるおそる覗く。
(うわ……そのまさかでした…!)
入っていたのはいわゆるエロ本というもの、それとAVが数本。
どこか性に淡白なイメージしかなかった彼もれっきとした男性だという事実を改めて突きつけられる。
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