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「今日は流石に街中クリスマスムードで溢れてるわね~」 クリスマスイブ。 鼻歌混じりに呟くリンさんを見やって、静かにため息をついた。 今、できれば触れて欲しくない話題。 「ルイは今晩、あの子と過ごすの?」 ひょいと顔を覗き込まれれば、とっさに取り繕うことができなくて。 「……楓くんには…嫌われた、と思う」 斜め下を見ながら絞り出した声は何とも情けないもの。 いたたまれなくて、そっと目を伏せた。 「…それは本人に言われたこと?」 予想よりも落ち着いた声音に、思わず視線を上げる。 もっと騒がしく理由を聞かれるとばかり思っていたのに。 細められた瞳はどこまでも静かだ。 「きっとそうじゃないでしょう?なら決めつけない方が良いわよ…ね?」 柔らかく念押しされて、ふと思い浮かべた面差しは。 ―――そうだ、決めたじゃないか。

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