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167.
「お久しぶりです…」
頭をあげた後もしばらく相手を直視できなくて。
「…うん、いらっしゃい」
柔らかい声よりも、気になるのはやっぱりその面差し。時間を空けるとより際立つ端正な造りを改めて再確認させられた。
手を洗ってソファーに座る。寄ってきたミウちゃんを抱き上げて、もふもふを思う存分堪能していると。
「…少し痩せた?」
するりと頬を撫でられて、思わず身体を強ばらせてしまう。跳ねた肩を見咎めたのか、戻される手と共に謝罪の言葉。
「あ…ごめん」
正月太りの話を始めて、ふと気付く。そうだ、こっちが本題。
「え、と…誕生日、おめでとうございます」
持参した紙袋を渡しながら、プレゼントですと告げれば。一瞬驚いて、それからふわりと笑った三井さんの表情。それはそれは嬉しそうに頬を緩めるから。
(…うん、良かった)
この顔を見られただけで、もう役目を終えた気分になる。自然と口元が綻ぶのを感じた。
「出前のメニュー持ってくるから、待ってて」
やっぱり好きだと、思う。
自分とは不釣り合いなんて百も承知だけれど。
頷いて、ミウちゃんの背中に顔をうずめた。
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