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178.
「…そんなことだろうと思ったよ」
仕方ないといった風情で呟いて枝豆を手にするハル。
「まぁ…近くに居たら諦められないっていうのは、分かる」
どこか遠い目をする彼の様子に、問うような眼差しを向ければ。
「…ん?あぁ、セフレなんだわ。…細田くんと」
「え……細田、くんって…」
切れ長の瞳に端正な面立ちが浮かぶ。どうしても目の前のハルと結びつけることが難しくて。
「……ルイはさ、芹生くんと付き合いたい?」
混乱する俺を見据える瞳はひどく真剣だった。戸惑いながらも思考を巡らせて、こくりと頷く。
「そりゃ…叶うなら」
「だったら諦めるな」
間髪を入れず放たれる言葉。彼にしては珍しく強い語調のそれに、思わず瞬いた。
「…俺にはもう、可能性がないからさ」
ふ、と口元を歪めて笑う姿。今は事情を聞くだけの余裕がないことを申し訳なく思いながら、黙って残りのビールを流し込んだ。
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