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『14日の昼、空いてる?』
メッセージを飛ばすとすぐに既読マーク。相変わらずのスタンスに呆れる最中 、返事が来た。
『バレンタイン?何かあんの?』
『ウチで集まらないかって、瑠依が』
既読が付いてから数秒。着信画面に切り替わったことに驚きつつ、通話ボタンを押す。
「もしも――」
『瑠依って、佐々木さん?』
やけに硬い声音のハルに肯定を返せば。
『……まさかとは思うけど』
関係を戻したのか、と言外に問われる。改めて第三者からの言葉を受けると複雑な気分で。
「まだ覚えてたんだ」
『当たり前だろ、なんたって…お前が使ってる名前の由来――あの人だし』
「……そうだね」
数回会っただけなのに素晴らしい記憶力だ、と笑う。続くため息と静かな質問。
『芹生くんは…?』
「……一応、誘おうと思ってる」
関係だけで言えば、まだ友達のはずだ。声をかけてみて…そこから先は彼が決めること。
『俺、その日は予定入ってるから行けないけど…まあ、頑張れ』
深く追求しないハルに感謝して、通話を終了させた。そのまま画面を眺めて考え込む。
再び瑠依と付き合い出して数日。同じ状況にも関わらず、以前のように振る舞えない自分は分かっている。
欲を言えば、彼にもう一度会いたい。
この違和感の正体をはっきりさせたいと、思った。
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