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真剣な眼差しで動画に見入る三井さん。 気を利かせて送ってくれた淕さんには感謝だ。 再生が終わると深いため息を吐いて顔を覆う。何を言うことも出来ずただ黙ってスマホを回収した。 「……ごめん」 ややあってぽつりと漏らされた謝罪。分かってもらえたことに安堵して、やっと胸のつかえが取れたような気がする。 「ごめんなんて、言葉じゃ…足りない、けど」 途切れがちに震える声音を耳にして。そっと隣へ移動した。 「三井さん。……三井さん」 2度目の呼び掛けでやっと顔を上げた彼の顔に浮かぶのは、今にも泣き出しそうな表情。急にたまらなく愛おしくなって、その瞳を見つめた。 「…俺のこと、好きですか?」 くしゃりと歪められた相貌。 「好きだよ。こんなに…人を、想ったことがなくて、自分でもどうしたら良いか……分からない、んだ」 たどたどしく続けられる言葉を受けて、そっと手を握った。今日も少し温度の低いそれを包んで大事に紡ぐ。 「俺もです。三井さんと…その、お付き合い…するようになって、たくさん考えました。初めての経験も多かったし、やっぱり戸惑う部分もあって…でも、好きだから。乗り越えたいな、と思います」 ただ握っていた指がいつの間にか絡んで。 近づく体、ゼロになる距離。 触れるだけのキスでここまで満たされるなんて初めての経験だ。離れる体温が惜しくて、自然と追いかける形になった。 「……楓くん。今度、泊まりにおいで」 ほとんど唇を合わせたままの距離で囁かれ、ぎゅっと縮まる心臓。直接的なセリフよりもよっぽど恥ずかしい。 どうか思い違いでありませんようにと、半ば祈りながら頷いた。

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