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触れられた腕が熱い。本音を言えばもう限界が近いけれど。ここは精一杯大人ぶって、揺れる瞳を覗き込む。 「…止めておく?」 「違う、んです…そうじゃ、なくて…」 戸惑いつつも、辛抱強く続きを待つ。以前なら想像もつかなかった自分の健気さに、さながら拍手を送りたい気分だ。 「か……か、お…見たい、です」 いじらしい言葉がじんわり浸透する、途端。ぶわりと赤面したのが自分でも分かった。言い放った当人の楓くんも、羞恥と情欲が綯い交ぜになった表情を浮かべている。 「な、ん……っで、君は…」 惚れた欲目もある。でも、それ以上に。 「え…っあ、の、みつ―――」 薄い肩をシーツから剥がして、正面を向かせた。少々乱暴になってしまったのはこの際許してほしい。 「…優しく、するつもり、だけど……ごめん」 きっと、無理だ。ひくりと震えた喉仏を撫でながら見つめる。捕食される側の彼が醸す色気に当てられたのは、俺か。 「いいです…三井さん、なら」 一瞬の(のち)、はにかんだ頬に口付けて自身の昂りを宛てがった。強ばる腰周りを緩く掴んで侵入を試みる。 「きっ、つ……」 思わず呟いてしまう程には狭く、そして熱い。口付けを送りながら呼吸を促して、何とか半分ほどをねじ込んだ。 「…大丈夫?」 「はい、り、ました…?」 「んーん……まだ半分」 薄く開いている瞼が震えた。ぼんやりと指先で腹部を辿った彼は唇を噛む。 「う、そ……そんな、おおきい…っ、え」 「…ちょっと、煽らないで」 舌打ちしたくなって、すんでのところで苦笑いに代える。やられっぱなしは性に合わない。 「ほら…がんばって、楓くん」 「…む、り……」 首を振る涙目に微笑んで、一気に腰を突き入れた。遅れて反る背中。締め付けのきつくなった内壁に眉を寄せながら息を吐く。 「…入った、よ」 「ほんと…です、か、?」 「うん。すーぐ持ってかれそ……」 濡れる目尻に触れて鼻先へ口付けた。ふにゃりと笑う楓くんが愛おしくて、それだけで下半身が重くなる。 「…すごいね、ここ。見せてあげたい」 誤魔化すように起こした体。広がる後孔の縁をなぞって感嘆すれば抗議のつもりか窄まる入口。 「ひどい、三井さん…」 「…平気そうかな」 睨みを利かせる彼からの視線はそれでも甘い。平常に近づいたことを判断しながら、薄く笑って覆いかぶさった。

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