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ハルさんと会ってから、1週間後。6月中旬を迎えたこの時期になると、梅雨にも慣れてきた頃。 『もしもし芹生くん?明日ルイの家行くんだけど、来れそう?』 「明日、ですか……15時以降なら…」 突然の誘いに驚きながら、スケジュール帳を確認する。これは今日中に心の準備をしておかねば、と密かに考えて。 『了解。じゃあルイの最寄り駅まで迎えに行くわ』 「はい…分かりました」 『あー………あと、』 そのまま予定を書き込む手が止まる。 『んん…俺ちょっとルイと先に話したいことあるんだけど、時間貰っても良い?』 「ああ、ミウちゃんのことでしたっけ。大丈夫ですよ」 『…うん。ありがとう』 それは一瞬、不自然でない程度の空白がどうにも気になった。 『じゃあまた明日』 「は、はい…」 聞けなかった、と。もやもやする気持ちを抱えたままスケジュール帳を閉じる。 (…気のせいかな) たまたまかもしれない。勝手にそう楽観視した俺は布団に潜り込んだ。

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