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それからはあっという間だった。 「…ど、同棲!?」 目を剥く楓くんに首を傾げる。さすがに急ぎすぎたかと諦めかけたが、やはりここは引けない。 「職場の近くに引っ越そうかと思ってて。一緒に住むのは嫌?」 「えっ、嫌とかじゃ…なくて……」 「開店まで研修もあるし、楓くんもその方が楽でしょ?」 ううん、と唸る姿。もう一押しだと畳み掛ける。 「毎朝俺のために味噌汁作ってよ」 「……もう、」 分かりました、と顔を背ける彼の赤い耳。そっと撫でて、笑った。

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