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カメラ君2

 でもこの子に関しては、それが恋愛に発展することはまずあり得ないだろうけど。  機械的に仕事してくれるからこっちもやりやすいし、バイトのわりに被写体の捉え方やアングル、立ち位置も妙にうまいから、撮影のパートナーとしては相性がいいと思う。  基本鉄仮面のくせに極たまーに人懐っこく笑うし、年下らしいと思う時だってあって、卑猥な話もブラックジョークも通じる。  まあ、ほんとそれだけの関係。 「テツヤさん、どこまでならヤらせてくれるかなー……。今から風呂場に乗り込んだら、さすがに怒ると思う?」 「顔真っ赤にして満更でもないか、普通に激怒するか、どっちかだと思いますけど」 「だよねぇ。イチジク渡しちゃったし、もし浣腸中だったら……」 「逃げるでしょうね。羞恥と恐怖に耐えきれず」  そういうプレイが好きなやつもいるけど、もとより彼はゲイじゃない。  何より経験がないのに、ノンケでアナニーの性癖があるだけの彼にいきなりそれをすると、ハードル高すぎて今後トラウマになりそうだ。 「それは困る」  カメラ君の意見に賛同しつつ、とりあえず今日は様子を見ながら進めていくことに決めた。  もちろんテツヤさんに提示したタイムリミットも守るつもりだ。  俺はベッドから起き上がり、もしもの時のために持参していたオモチャ箱を漁る。  その間、カメラ君はハンディカムのほかに固定カメラやマイクの機材をセットしていた。 「まあ、せいぜいAV観ながらソロプレイまでじゃないっすか? 条件以上のことはさせないでしょ。彼がほんとにノンケなら」 「とか言って本番オッケーな子、結構いたよ。みんな口ばっかり」

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