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瓦解

 もうどこもかしこも上気して、熱い。  俺も身体が火照っているけど、テツヤさんの体温はそれ以上だ。  ビキビキに勃起した自身に指を絡ませて、扱きあげる。  空いた片手は彼の背中に持っていき、俺の体重を使って、密着させた身体ごと彼をベッドへ押し倒した。 「っン、ぁう……ッぬ、抜け、た……っ」 「ふは、ごめんね。気持ち良かったのに、ね」 「……っ、」  ゴトリ、と尻穴から抜けたバイブがシーツの上で卑猥に振動している。  恥じるように目を逸らした彼に口付けて、手淫する速度と力を強めた。  びくびくと震えあがる彼の濡れた目許にキスをして、まるでマインドコントールするみたいに、それでいて甘えるような声で低く囁いていく。 「ねぇ、テツヤさんのナカを感じたいの」 「あっ、ぇ……?」 「こんな玩具じゃなくて……あなたの好きなとこ、俺ので奥までいっぱいにしたい。きっと、すごく気持ちいいんだろうね……?」  あぁ、多分……、いや、絶対。  今ごろひくひくと、妄りがわしい動きをしているだろう彼の色付いた後孔を見てみたい。  なんて思いつつ、ご褒美を強請る子どもみたいな、触れるだけのキスして。 「……テツヤさん、だめ?」 「っん、ぁ……ちょ、まって……っぁ、あぅッ、ん」  太ももに俺の怒張したモノを押しつけながら唇にかぶりつき、口の周りが濡れそぼるくらいに深く噛みつくようなキスをする。  そのまま、顎を舐めて首筋を吸って、鎖骨を食んで。 『欲しくて欲しくて堪らないの』ってのが伝わるように、彼の身体を貪っていく。 「ひ、やっ、ぁあ、だめっ、まじで、ほんと、だめだ……っ」 「……ん、どうして?」 「……──おれっ、勢いとかじゃなくて……っ、はっ、ハジメテ、は、ちゃんと、そのっ、つつ付き合った人、と、シた、い……っ」  思いもしなかった台詞に、俺は今まさに豆鉄砲を食らったような顔になっていることだろう。  しかし次には沸々とわき上がる別の生理現象に、顔を隠して肩を震わせる。 「ぶっ、く、くく……っ、は、」 「……何、笑ってんだよ」 「ふふふ、ごめっ、くは、あははっ! ちょっと、ごめん、一回カメラ止めてくんない」  当たり前だが、先ほどまでの淫靡さを匂わせたまま、テツヤさんはものすごく恐い顔で俺を睨んでいる。  やばい、余計に涙出てきた。

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