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溺れる

『やっあ、ぁン……っぁっ、アっ、』 「ん……っ、ふぁ」  本当は泣き出しそうな思いで、震えて力の入らない指を後ろに持っていく。  ぱくぱくと口を開くそこへ少しぐっと押し込めば、開発中の後孔は難なく指先を飲み込み、それどころかもっと大きなモノを望んで内壁がうねうねと蠢いた。 ……最初は、後ろまでいじるつもりなんて、なかったのに。  自分の体内に入った自分の指。  こんな虚しいこと、したくない。  それは紛れもなく本心であるが、下腹部が重く疼き、熱く痺れて。  ローションを追加したあと、二本に増やす。  滑りが良くなったおかげでスムーズに出し入れ出来る己の身体が、浅ましく思えて恥ずかしい。  けれどもっといっぱい欲しくて、そんな自分に嫌悪しながら、性急に三本目の指を挿入した。 「っぁ、ぁあ……っん、」  なんとも情けない声が漏れる。  歯を食い縛ったって、背筋を貫き脳髄まで響くような快感には抗えない。  早々に前立腺を穿ち、あいつがしてくれたように、好きなところばかりを責める。  ベッドに深くもたれ掛かり、M字に大きく開いた股の間から手を入れて激しく抜き差しすれば、指が内壁を擦る感覚に没頭する。 『っあぅ、もっと、太いの、ほしぃ……っ』 『……いいの? そんなこと言って。彼氏に怒られちゃうよ』 『いいっ、いいから……、も、我慢できな……ッ』  真っ白なベッドに寝転び、はしたなくも魅惑的に足を開いたネコのとろけた様子に、笑みを浮かべてあいつが前を寛げる。  ぽろりと飛び出す勃起した自身。  白いスモークのようなモザイクのせいでシルエットしか窺えないが、俺はあれを一度だけ、生で見て、口内へ迎え入れたことがある。  腕を伸ばして剛直を待ち望むネコの足を抱え、先端を入り口に擦りつけ、ゆっくり、正常位で、覆い被さっていく。  なんて、目が眩むような光景だ。

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