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覚悟しておけとはこういうことか… 休み明け、会社に行くなり支店長のお出迎え。 掃除当番だったため、いつもより少し早く出勤するとすでに一ノ瀬支店長がいた。 『おはよう。』 『お、おはようございます…早いですね…』 『お前が掃除当番って知ってたからな。』 『それ、ストーカーって言うんですよ…』 『ストーカー上等。』 うわ…この人本気だ。 マズイのに捕まったなぁ…と少し焦る。 気まずい雰囲気の中、ゴミを捨てたり机を拭いたりしていると、二間さんが出勤して来た。 『おはようございます!!』 助かった〜と思い、大声で挨拶する。 『おはよう。鈴木元気いいな。』 『そ、そうですか?』 『あれ?支店長、早いですね。おはようございます。』 『おはよう。』 二間さんが支店長と俺を怪しい目つきで見る。 なんか勘違いしてる? いや、決してそんな関係ではなくて!! 「違います、決して違います」と、目で合図をしながら念を送るが通じているのだろうか? 続々と出勤してきてあっという間に活気に溢れる。 ふぅ…なんとか乗り越えたぞ… と、息を吐きながら給湯室でお湯を沸かしていると、後ろから声をかけられた。 『鈴木。お前支店長と…』 『何もありません。』 『そうか…』 『二間さん、勘違いしないでくださいよ…』 やれやれ…と溜息をつきながら自席へと向かった。

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