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7 三好優希という男
三好 優希(ミヨシ ユウキ)24歳。
頑張り屋で、辛い外回りもこなす2期下の後輩。
甘々フェイスの持ち主なのに、185cmという長身がギャップ萌?というのか、女心をくすぐるらしく、女性陣にすごく人気だ。
それに甘え上手で床上手?らしく、ベッドの上では男らしくなるらしい…って、なんだそれ?誰情報?
『あー!!!二間さんズルイっすよ!!!』
『なにが?』
『それ、鈴木さんの手作り弁当ですよね!?ほら、中身一緒だし!!!』
そう言いながら三好が、俺と二間さんの弁当を交互に指差す。
『いいだろ〜』
『うわ!!尊敬してる先輩だけど…ムカつく。』
ヤイヤイとうるさい二人を無視して俺は急いで弁当をたいらげる。
『鈴木さんもう行くんですか?』
『窓口は交代で昼だから…』
『頑張れよ!!弁当サンキュ!!また頼むな!!!』
『あっ!!また!!鈴木さん、俺にも作ってくださいよ!!!』
三好が言った言葉を軽く無視して、俺は自席へと戻った。
『お昼お先です。』
『はぁい。ってか、一ノ瀬支店長が鈴木君のこと探してたよ?お昼ですって言ったらそうか…とだけ言ってたけど。』
『そうですか…』
なんか嫌な予感がする。
なんだろう。
何にも悪いことはしてないんだけどな…
ということは、あのことか?
ちょっと…仕事中にまでやめてくれよ…
そう思っていると、俺の目の前の電話の内線が鳴った。
『はい、鈴木です。』
『あ、俺だけど。』
俺?でも声ですぐわかる。
どこだ?と思いながらキョロキョロと周りを見渡すと、後ろの方の電話で一人の男が俺に内線をかけていた。
『支店長。なんですか?』
『会議室に集合。』
『いや、今窓口一人なんで。』
『じゃぁ、隣が帰ってきてからでいい。』
『忙しいです。』
『残業するなら手伝うから。』
はぁ!?手伝ってほしいなんて誰が頼むものか。
そう思いながらもう一度後ろを振り返ると支店長がウィンクをしてから内線を切った。
マジかよ…
逃げられない誘いに溜息をつきながら、仕事を再開した。
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