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『三好!!』 『あっ!!鈴木さん!!おはようございます!!』 『今日、昼戻って来れる?』 『えっ?戻っては来れますけど…』 『弁当作ってきた。』 『マジっすか!?うわ…めっちゃ嬉しいっす!!!』 コイツもか… 二間さんと同じく、弁当一つでこんなに喜べるなんて… いや、作りがいがあるってもんだけどさ。 またしてもありもしない尻尾が見え、今度は耳までも生えて、すごく可愛い生き物に見える。 『一緒に…食う?』 『はいっ!!12時までには帰ってくるんで待っててください!!!』 そう言うと、飛び跳ねながら三好が外回りに出かけた。 デカイ図体して… 三好のその姿に少し笑いながら、自席へと戻った。 『いらっしゃいませ。』 『振込お願いします。』 『かしこまりました。お掛けになって少々お待ちくださいませ。』 次から次へと訪れる客。 今日も残業決定だな… はぁ…と、心の中で溜息をつき、午前中の仕事を終えた。 『お昼お先。』 『はい。では行ってきます。』 今日は隣の窓口の女性社員が先で、俺は後の昼休憩だ。 ぶっちゃけこっちの方が、後の人のことを考えなくて済むのでゆっくりと昼休憩が取れる。 『あっ!!鈴木さん!!』 『悪い。待った?』 『いや、全然!!』 先に食堂で待っていた三好の隣に座り、弁当を渡した。 『開けていいっすか?』 『どうぞ。』 ワクワクした顔で弁当を開ける三好が可愛い… いや、ペットとしてって意味で… 『うわっ!!!うまそー!!!』 キラキラした目で食べ始める三好を見つめる。 なんかドキドキすんな… 『ウマッ!!美味すぎますよー!!!鈴木さん天才!!』 『そう?』 なんて素っ気なく返事をしながらも褒められるのは嫌いじゃなくて、心の中で喜ぶ。 『俺、鈴木さんと付き合いたいなー。』 『なっ…!?』 『こんな弁当毎日食いたい。』 『あ…そういう意味か。』 『えっ?そういう意味って?』 『いや、なんでも…』 コイツもか!?なんて一瞬思ってしまった。 そんなに周りにゲイが溢れてるわけないってな… 『あれ?そのもう一つは誰の弁当ですか?』 『あっ…これ?これは二間さんの。』 『えぇっ!?また!?』 『またって…』 『お疲れ〜』 そんな話をしていると、二間さんが食堂に入ってきた。 『二間さん!!また鈴木さんに弁当作ってもらったんですか!?』 『いいだろ〜』 『フッ!!今日は俺もですよ。』 勝ち誇ったような顔で言う三好がおもしろい。 『えぇっ!?なんで!?』 『昨日色々あって…。』 ニヤニヤとしながら三好が言う。 『お前らって…』 二間さんが、何かよからぬことを考えているような顔をしたので、焦って事情を話す。 『言っときますけど、何もないですからね!!昨日三好が残業手伝ってくれようとしたんですけど、気持ちだけで十分だって話をして…』 と、昨日の話の内容をすべて話した。 『お前、外回りなんだから手伝えるわけねぇだろ。』 『だって…鈴木さんの弁当食べたかったんですもん…』 『まぁ、その気持ちはわかる…』 『ですよね…』 二人がわけのわからない話で共感し合っているのを無視しながら、弁当をたいらげた。 『じゃぁ先に行きますね。』 『おう。弁当サンキュ。』 『俺も!!ありがとうございました!!』 そう言う二人に返事をして、自席に戻った。

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