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『ん…?』
気付くといつの間にか眠ってしまっていたようで、部屋は真っ暗だった。
枕元の携帯を手探りで探し出し、時間を見ると19時を廻っていた。
『うわ…寝過ぎだろ…』
のそっと起き上がり部屋の電気をつけた。
ピンポーン
ピンポン?
こんな時間に誰?
恐る恐るインターホンのモニターを覗くとそこに映っていたのは二間さんだった。
『はい。』
『二間だけど…』
『い、今開けます!!』
俺は慌てて玄関に向かい扉を開けた。
『は…ぃ!!!??』
扉を開けるなり二間さんが中に飛び込んで来て、ドンッと壁に叩きつけられた。
『痛ッ…』
『悪い…俺余裕ないかも…』
『はぁ!?んんー!!!』
壁で頭を打ち、ぼんやりとした中で目の前にある二間さんのどアップに焦る。
そして今起こっていることを必死に頭で整理して…
って、俺キスされてる!?
『ハァ…ちょっ…何してんですかっ!?』
二間さんの胸を力いっぱい押し退けた。
『お前、昨日五反田様と一緒にいたって本当か?』
『えっ?』
『今日五反田様が銀行に来た。俺を指名するもんだからおかしいな?とは思ったんだけど、五反田様のところへ行ってみるとイキナリの宣戦布告だよ。お前を渡さないだって…。しかも昨日一緒にいて、何をしていたかはご想像にお任せしますとか言いやがるんだよ。昨日何した!?』
『は、はぁ!?ちょっと待ってくださいよ!!そんなこと言われても俺知らな…んんっ!!』
またしても強引に唇を塞がれ俺は息ができなくて、二間さんの胸を叩く。
唇の間をこじ開け入ってくる舌は少し熱くて…
強引に俺の舌を絡め取る。
『ん…ふ……ぅ…』
何度も角度を変え深く差し込まれる舌に口内を犯され、俺の頭は昨日のようにクラクラする。
酒が入っていないのにこんなにクラクラするのはきっと二間さんのキスが上手いからだ…
昨日のことを思い出し、勝手に勃ち上がり始める自分のモノに焦り、二間さんを押し退けると部屋の奥へと逃げた。
『鈴木…』
『ストップ!!これ以上俺に寄らないでください!!!』
『なんで?俺のこと嫌い?』
『いや、嫌いとかそんなんじゃなくて、今はダメなんですって!!!』
今日こそは流されてはいけないと、自分の熱くなり始めているモノを庇うように屈むと、二間さんを懇願する思いで見つめた。
『いやいや、それ拒んでるつもり?』
『そ、そうですけど…なにか?』
『逆効果だけど。』
『はぁ!?』
『俺を煽るなよ。今日は普通に見舞いに来るつもりだったのに五反田様にあんなこと言われてお前の顔見た途端に我慢できなくてキスしちまったけど、それだけで終わろうと思ったのに…終われねぇじゃん。』
『…。それで終わってくださいよ。』
『いや、無理。』
ズンズンと俺に向かってくる二間さんに手のひらを向け一生懸命に拒む。
『ちょっ…ほんとに待っ…痛ッ!!』
腕を掴まれ、二間さんの方にグッと引き寄せられた。
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