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『痛ってー!!!!!』
『えぇっ!?』
『二間さん…』
やめてくれと言わんばかりの目で二間さんを見つめる。
『お前、もしかして…』
『へ?』
『五反田様とヤッてないのか?』
『は?それはどういう…』
「はぁ…」と大きな溜息をつくと、二間さんが俺に頭を下げた。
『すまん、鈴木。』
『えっ!?なんですか急に!!』
『五反田様の意味深な言葉に動揺してこんなことしてしまった。まんまと五反田様に騙されたってことか…』
『えっ!?あの…言ってる意味が…』
『お前、五反田様とヤッてないんだな。』
『は?俺…ヤッてないんですか?』
『はぁ!?お前何言ってんの?』
『いや…その、酔っていたせいで記憶が…』
『なんだそれ。マジで言ってんのか!?』
『は、はぃ…』
『はぁ…』
またしても二間さんが大きな溜息をつく。
『なんかすみま…えっ?』
いきなり抱きしめられてドキリとした。
『よかった…』
『よかっ…た?』
『いや、まぁ誰とヤるとかお前が決めることなんだけどさぁ。なんていうかその…取られた気分だったっていうか…とにかく!!本当よかった。』
ギューっと抱きしめる力を強め、二間さんが俺の肩に顔を埋めた。
『二間さん…』
なんか…可愛いかも…
こう、胸の奥がキュンとするというか…
普段とのギャップだろうか?
仕事も何もかもしっかりキッチリこなす人が、急にこんな弱い部分を見せたから?
だからキュンとしているのだろうか?
『あ…すっかり萎えちまった。』
二間さんが自分の股間を見ながら笑い出す。
うわ!!忘れてた!!
今、すごい状況だったんだ!!!
焦って自分のモノを隠すとパンツを探す。
『鈴木。』
『な、ななななんですか!?』
『お前、可愛いのな。』
……………。
この、糞イケメンが!!!
そんな顔で言うな!!!
おかげで俺の顔はすっかり熱くなり、頭からは湯気が出ている。はず…
『本当、悪かったな。』
『いえ…』
『じゃぁ、また明日。』
そう言いながら玄関で手を上げると、二間さんは帰って行った。
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