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『鈴木君、お昼お先。』
『あ…はい。』
来た…
来てしまった。
恐怖の昼休憩。
俺は渋々立ち上がり会議室へ向かう。
『あっ!!鈴木さん!!』
『おう、三好。昼か?』
『はい!!あの…一緒に食べませんか?』
『悪い。支店長に呼び出されてて…』
『えっ!?なんかしたんですか!?』
『いや、なんにも…のはず。』
『気をつけてくださいよ!!』
『お前まで…』
『お前まで?』
『二間さんにも言われた…』
『鈴木さん…』
『ん?』
『俺…心配です。』
本当に心配してくれているのか、三好はなんだか泣きそうだ。
『なんでお前が泣きそうなんだよ。』
『俺の鈴木さんが…』
『俺のって…』
だけど、そんなことを言う三好がなんだか可愛い。
『大丈夫だから。』
そう言って、俺より高い位置にある頭をポンッと叩いてやった。
『報告してくださいよ!!』
『報告?』
『何されたか。』
『マジで?』
『マジです。』
真剣な顔をして言う三好に返事をして、俺は会議室に向かった。
コンコン
『はい。』
『鈴木です。』
『入って。』
『失礼します。』
ガチャリと扉を開けて中に入ると、支店長はまたしても奥の椅子に腰掛けていた。
『座って。』
手前の椅子に座ろうとすると、支店長が自分の隣の椅子を叩く。
またかよ…と、心の中で溜息をつくと、支店長の隣に腰掛けた。
『風邪とやらは本当にいいのか?』
『は、はい。』
『お前、無断欠勤とはいい度胸だよな。』
『それは…本当にすみません。』
『昨日電話で俺が言ったこと覚えてる?』
『な…なんでしょう?』
『お仕置き決定。』
うわ…やっぱりそれか。
お仕置きって何?
ペナルティとか言われたら残業を課せられるとか、給料を減らされるとか、そういうことかな?とも思うけど、「お仕置き」という言葉が妙に怪しくて怖いと思うのは俺だけだろうか…?
『お仕置き…とは、なんでしょう?』
恐る恐る支店長に聞く。
色気たっぷりな流し目を俺に向けながら支店長がフッと笑う。
『何してほしい?』
『は、はぃ?』
『俺が今から言う3つのうちの一つを選べ。』
『えっ…?ちょっ…』
『1、お前からキス。2、俺からキス。3、セックス。』
は、はぁ!?
3番は絶対にありえないだろ!!
何考えてんだこの人。
いや、1、2もありえないんだけど…
『さて、どれにする?』
『支店長…それ、本気で言ってます?』
『本気以外のなんでもないが?』
………。
この人絶対頭おかしい…
俺は呆然とするしかなかった。
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