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『宅配便です!!!』
ほら来た。
また面倒なことが起こりそうだ。
『鈴木さん!!今日もちょっと手伝ってもらってもいい?』
『あ…はい。』
健太郎に言われ窓口を出て駆け寄った。
『一緒に持てばいいんですか?』
『うん、悪いね。』
『せーの!!って、軽!!』
『あっ、鈴木さん!!これ裏の倉庫でいいのかな?行きますよ!!足元、気をつけて。』
言われるがままに裏の倉庫に荷物を運んだ。
『で、何?』
『えっ?』
『えっ?じゃねぇよ。こんな軽い荷物一緒に運ばせるってことはなんかあんだろ?』
『あっ、バレてた?』
『バレバレ。で、何?』
『この前のこと。お前あれから連絡してこないし、ちゃんと考えてくれてるのかの確認。』
『確認って…まぁ、考えてはいるけど…』
『ほんとか!?俺、脈ある!?』
脈…
どうなんだろ?全くわからない。
ってか、俺って最悪だよなーと思う。
告白されて脈がないのなら完全にフッてやりゃいいのに、それができない。
でも本当に自分の気持ちがわからなくて、どうすることもできない。
人間戸惑うと、自分はどういう行動を取ればいいのかが一切わからなくなるらしい。
でもそれ以外にも俺は最悪だと思う。
告白された5人のうち3人とキスをして、内2人には失態を晒し…
あーもう。俺のアホ。
なんか微妙なビッチ加減だよな…
『おーい。何一人で考えてんだよ?確実に俺のことじゃねぇよな?』
『は、はぁ!?そんなことは…』
『まぁいいわ。とにかく、お前俺のこと本気で考えてくれよ!!じゃぁな!!』
そう言って健太郎は帰って行った。
真面目だな…
健太郎は、本気で俺のことを好いてくれているのだなとわかった。
長年俺に片思いをしていたと言っていたが、本当のようだ。
ビッチなことしてねぇで、本気で考えなきゃな…と、自分の行動を反省した。
『すみません、戻りました。』
『はぁい。ってか、今日の鈴木君すごくしんどそうよね?やっぱり病み上がりだから?』
『いえ、しんどくはないですよ…。』
いや、しんどいか?
なんだかどっと疲れたような…
『栄養ドリンクあげる。』
『あ、ありがとうございます。』
女性社員の引き出しから出された栄養ドリンクを受け取り、机の端に置いた。
男の相手はやっぱ女だよ…
と思うんだけどなぁ。
なぜか俺の頭の中では5人のイケメンがグルグル回って…
あー、頭痛ぇ。
痛い頭を押さえながら仕事に集中した。
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