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またしてもこの空気…
やはり定時には終わらず当たり前のように残業をする俺。
もう嫌だ。
何が嫌かって…
この3人の空気がだよ!!!
俺の後ろに二間さん、その後ろに支店長。
妙に一列に並んだ席が余計に変な空気を作り出す。
これさえ終わったら、これさえ終わったら…と、一心不乱に書類を片付けて行く。
っしゃぁ!!終わったぁ!!
ガタンッと立ち上がり、叫ぶ。
『お先に失礼します!!』
『お疲れ。』
『お疲れさん。』
あ…あれ?
いつもならどっちと帰るんだ?とか、俺も帰るとか訳のわからないことになるんだけど…
今日はすんなりと言われた「お疲れ」という言葉になんだかモヤモヤする。
『なんだ?一緒に帰りたかったか?』
支店長が笑いながら言う。
『い、いや…そんなわけないじゃないですか!!』
『そうか?顔に寂しいと書いてあるけど?』
『書いてません。』
『まぁ、今日はすまんな。ちょっと二間と話があるから。』
話!?
なんの話だろう…?
まさか昨日の!?
いやいや、それはないだろう…
勝手に頭の中で何の話なのか想像する。
『だから、お疲れ。』
『お、お疲れ様です…お先に失礼します。』
二人に頭を下げて外に出た。
マジで気になる。
いや、普通に仕事の話かもしれないし…
だけどなんだか嫌な予感がして、胸がザワザワして落ち着かない。
昨日のことを暴露されるのか?
いや、してどうするんだ?
支店長は今日のことを?
俺…どんだけビッチなんだよって思われるだろうな…
だけど、全部俺からしたわけじゃないし!!
あっ…でも、支店長との二回目のキスは…って、あれは上手いことしてやられただけで!!!
って…
俺はなんでこんなことで頭の中をグルグルさせなきゃなんねぇんだよ。
俺、関係ねぇし。
うん、関係ねぇ。
またしても勝手に一人で解決して家に向かう。
マンションに着きエレベーターに乗る。
チンッという音と共に開かれた扉を出て歩き出す。
自分の部屋への廊下に差し掛かったところで俺の足は止まった。
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