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「もしもし!!」 『もしもし?三好?』 「あっ!!鈴木さん、お疲れさまです!!」 『遅くなってごめん!!今から帰る。』 「わかりました!!俺も適当に買って向かいます。」 『おう。』 電話を切って、さっきの二間さんの言葉を思い出す。 まず、支店長とのこの前の話はやはり俺のことだったということ。 しかも正々堂々と勝負するために三人でプライベートを過ごして、尚且つ俺を二人で口説くと… なんじゃそりゃ。 俺に選択肢はないんか…。 はぁ…と溜息をつきながらトボトボと歩く。 実際問題俺の中では三好の存在がデカくなっている。 二間さんに三好が好きなのか?と、問われた時は本当に好きなのかわからなくて… 三好の存在がデカイといってもそれが好きとは限らなくて、一緒にいて楽しいな…とか、癒されるな…とか。 それは三好がペットっぽいっていうのも一理あると思うんだけどな… 好きとか嫌いとか付き合うとかは全くわからないわけで、今は一緒にいて楽しいと思えるってだけだ。 三好とのキスもそれなりにドキドキしたが、支店長や二間さん、五反田さんとのキスにはそれ以上にドキドキしたし、今でも思い出すだけで体が熱くなる。 それもまた好きだとかそんなんじゃなくて、きっと体が勝手に快感を覚えてしまっているだけだと思う…。 うわ…そう考えると俺、ほんとビッチだな… 『鈴木さん!!』 マンションへの最後の曲がり角を曲がったところで、向かいから来た三好に呼ばれた。 『おう。』 『マジ運命かも〜。』 『運命?』 意味不明なことを言う三好に笑いながらエレベーターに乗り込む。 『はい!!俺がマンションに着くまでに、あそこの曲がり角から鈴木さんが出てきたら運命だーって思ってたんです。』 『なんだそれ?子供か?』 ハハハと笑う俺を見て三好が少し拗ねた様な顔を見せた。 『ん?どうした?』 『なんでもありません。』 ムーッと膨れて俺の方からドアの方へと体を向き直すと黙ってしまった。 ありゃ?なんか怒ってる? 気まずい雰囲気の中、俺たちは部屋に向かった。

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