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第7話

「あ、いやっ、…、ごめん。」 俺は、素直じゃない。素直じゃないから真咲の目も見れない。 「なんで怒ってるの。」 「何でもないよ。」 「そんな事ないだろ。ねぇ、俺なんかした?」 「知らない!」 もう、この場にいたら、涙を抑えきれない。 「わかんないよ。言葉にしてくれなきゃ。」 そんなこと、言われなくても俺が一番わかってる。 「そっちこそ!言ってくれなきゃ、俺のどこが悪いのかなんて自分じゃわかんないよ!」 「え…?」 え、ってなに。わからないふりしないでよ。 「真咲なんか嫌い。」 俺は、真咲に一言言い放って俺達が住んでるマンションの階段を駆け下りた。

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