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第30話
「んん…。」
重い瞼を少しずつ開けていく。でも部屋が明るくないせいか、あまり苦ではなかった。
「どこ、ここ...。」
「あぁ、目ぇ覚めたん。俺ん家。まぁ、好きなように自分ち帰ればええよ。」
あぁ、なんだ、鮫島の家か...、て、あれ?
「俺…、まさかヤりながら寝たの...?」
「アホか。んなわけないやろ。まずヤってへんわ。」
「えぇっ、ヤってないの!?」
普通、Ωが無防備に寝てたらヤるだろ…。
なんで手も出さないんだ
「だって、俺寝てるやつに跨る趣味ないし。しかも、寝言で「真咲...」とか言うし。」
「な~~~~ッ!!...そんな寝言言ってたのか…」
「おぉ。まぁ、そんなにそいつの事好きならはよ帰りや。」
優しいのか優しくないのかよくわからないやつ...。
それより真咲怒ってるだろうなぁ。もう9時だし...。帰りたいのに帰りにくい。
「なんや。帰らんのか。」
「んん…。いや、帰るよ。なんかごめん、でもありがとう。」
俺は、上着をちゃんと着て玄関へ足を進める。
「喧嘩、もししてもたら俺ん家来ぃや。1泊ぐらいなら1000円でゆるしちゃら。」
いざ、外に出ようと思ったら、最後に鮫島から一言。...だれが1000円払ってまで泊まるかっ。
「余計なお世話ですー。まぁ、ありがとう、今度お礼する。」
「はいよ。G○DIVAでゆるしちゃら。」
「はいはい、まぁG○DIVAは買わないけどね。じゃあ、また。」
そして俺は憂鬱な気持ちで隣の家...、俺の家のドアノブへと手を伸ばす。
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