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第31話

カチャリと開くドア。 そして、静かな部屋には明かり一つ、ついていない。 「真咲…?」 真咲が何処かへ消えてしまったのではないか、と心配になり、名前を呼んでみる。 しかし、返答はない。 「真咲…ッ」 俺は怖くなって部屋の中を走った。 寝室へいき、真咲を探すとベッドの端では真咲が小さくなって座っていた。 「真咲…?」 「あぁ、おかえり…。真琴。遅かったね…、心配したよ……。」 怒ってる…、というよりは、なんだか悲しんでいるような声。 今までの真咲からでは聞いたこともないような声だった。 「えと…。ごめん、その…。俺寝てて……。ほんとごめんね」 俺にはごめんしか言えるのことがなかった。 「寝てた?まさかアイツのところで寝てたの?」 真咲の表情が…、俺の一言によって一変した。 「ふざけるなよ…ッ」 これほど真咲から逃げたいと思ったことは無かっただろう。 そう思うくらい、真咲は怒りを露わにした表情を浮かべた。

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