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第36話

「て言うか、呼び捨て、やめろよな…。仮にも俺は年上だぞ……」 「んぁ?んー、じゃあ、『まこ』でええやろ?さすが俺、ネーミングセンス半端ないわぁ。」 自画自賛かよ。 まぁ、本当は呼び方なんてなんでもいいけど。 「あと、外出なんて嫌だよ、俺は真咲が帰ってくるまで外でないから。」 そうだ、真咲もすぐ帰ってくるってメモに書いてたし、出掛けるなんて無理。 「てことで、帰って。」 「ふーん、そんな事言うんや…。昨日はあんなに優しくしちゃったのに…。」 恨めしそうに俺を見つめてくる鮫島。 やめろ、俺の良心が痛む…っ! 「…じゃあ、せめて真咲が帰ってきてから…!」 「あー、あかんあかん。アイツもアンタのこと置いて行ったんやろ?じゃあ、気にすることないやん、アンタも置き手紙書いてったらええねん、「遊んできます」って。」 この野郎…。 それもそうだけど俺は今日、真咲と過ごしたいのに! 「〜〜〜〜〜〜ッ!わかったよ、付き合えばいいんだろ、もー。何処でもいいから早く行って帰ろう。」 こうなったらチャチャッと付き合って早く帰ってこよう。 真咲には…、置き手紙しとこうかな。

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