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第37話
「なー、どこいくんだよ。」
「んー?なーいしょ。だって逃げられたら嫌やもん。」
俺に逃げられるような所に行くのかよ、コイツは…。
「とりあえずまぁ、乗って?」
「えーと。お前車の免許持ってるんだ…。」
意外…。
こんな奴、俺の想像では…。
「女引っ掛けて運転させてそうやった?」
思っていた事をそのまま当てられた。
「うん、結構マジの方でそう思ってた。」
「失礼やなぁー、俺かて運転くらい自分でするわ。まぁ、ええけど。ほら、はよ乗りや」
乗れって言われてもどこに…。
迷った末、俺は後部座席を選んだ、が。
「なんでやねん。」
関西人のツッコミ。
それより俺は何処にツッコミを入れられたのか。
「えーと…。なんか間違えた?」
「あたり前やアホ。なんで2人やのに後部座席やねん。普通は助手席やろ。」
「アホじゃないし…。」
助手席……。なんか嫌だなぁ。
ちゃんと薬を持ったか確認してから俺は助手席に乗り直した。
「まぁ、着くまで寝とればええよ。朝起きてから泣いたんか知らんけど目真っ赤やで。」
「ッ!はっ!?なっ、泣いてないし!」
恥ずかしい…ッ、泣いてたことバレるなんて…!
「冗談やって。まぁ充血しとるだけやから寝不足なんやろ?それなら我慢せずに寝ろよ。なんも変な事せんから。」
ケラケラ笑いながらこう返してくる鮫島は、優しいのか優しくないのかやっぱりわからない。
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