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第38話

「まこさーん、起きてくださいよー」 「んんん…。うるさ、いぃ…。」 体がだるい、頭痛い…。 「着いたから起きてや、真琴」 耳元で囁かれた。 ゾクゾクする…、というか無駄にイケボだ。 「は?遊、園地…?」 「そ、遊園地。なんかまこ遊園地好きそうやなーって思ったからさぁ。暇やし連れてこよかと思ってん。」 車から降ろされた俺の目線の先には何故か「ニコニコランド」という遊園地があった。 「まぁ、好きだけど…。俺、めっちゃはしゃぐよ……?」 「えーよえーよ。俺もはしゃぐし。てか逆にまこが俺のテンションについてこれるか心配やわ。」 絶対余裕でついていける…。 だって俺、めっちゃ遊園地好きだもん…。 「まぁとりあえず入場しよーや。」 「そうだな。」 そして入場してすぐに… 「鮫島、鮫島!俺、あれ乗りたい!あのジェットコースター、ちょー楽しそう!!!」 「おぉ!よっしゃ、乗りに行くぞ!まこ走れ!」 凄い楽しんでる。 本当に鮫島も遊園地が好きなようで、大人2人で騒ぎまくった。 「はー、ジェットコースター速かったなー!気持ちよかった〜!」 「なー。なかなか良かったわ〜。それよりまこ、めっちゃ元気やん。連れてきて良かったわ。」 ドキッ、とした。 こっちを少し微笑みながら見つめてくる鮫島に、恋してしまうのではないかという感情が湧いてくる。 そんな感情要らないのに。 だから俺は… 「サンキュ!ほら、次乗ろう!次はアレね!」 その感情は見て見ぬ振りをした。

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