41 / 61

第41話

とりあえず朝食兼、昼食でも作ろうと思ったら材料が全くなかった。 ご飯なんて真琴に任せっぱなしだったから、冷蔵庫に何が入ってて何がないのかなんて知らなかった。 こういう時はどうしたらいいのだろうか…。 結局、俺はスーパーに行くという考えなど微塵もなく、コンビニに行くことにした。 ところが家に帰ると人の気配が無い。 まさかとは思ったが、テーブルには俺の書いた置き手紙の他にもう1枚の紙が置いてあった。 【鮫島(お隣さん)と少し出かけてきます。勝手に家から出てごめんなさい。お昼ごはんは食べてくるので心配しなくて大丈夫です。真咲もちゃんとお昼食べてね。(まこと)】 なんだよ、それ…。 昨日急に現れた鮫島って奴。本当に邪魔だ。 俺には時間が無いのに。 あいつに俺と真琴の大切な時間をどんどん取られていく。 今まで真琴が俺を放ってお昼を食べに行くことなんてなかったのに。 心配だ。 俺の元から離れようとする真琴を引き止める術を、俺は持っていない。 唯一あるとしたら、『番』という証だけ。 最近は、この両手から真琴がすり抜けていくような感覚がして、夜もまともに寝れなかった。 邪魔者が現れたからこそ気づくものもきっとあった。 鮫島、錦…。 俺の真琴は、絶対に誰にも渡さない。

ともだちにシェアしよう!