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第43話
(真琴ver.)
遊園地で結局夕方まで遊んでしまった…。
真咲はきっと怒ってるだろう。
心做しか、自分の足取りも重かった。
「ただいまー…。」
ソッ…と、出来るだけ静かに家に帰宅したが、すぐに真咲の返事は返ってきた。
ど、どうしよう…。
今回は怒られても仕方ないと思った。
せっかく真咲と過ごせる数少ない休日だったのに。
それを、俺は…。
しかし、真咲は怒らず、しかも今度は俺と行こうとまで言ってくれた。
それはもう、嬉しくて嬉しくて、涙が出そうだった。
予定は今度2人で立てるらしい。
あー、今からでも凄い楽しみだ。
この日は結局、風呂に入ってご飯を食べて気分の良いまますぐに眠りについた。
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ピピピと、うるさいアラームの音で目が覚める。
「んぁ、もう朝…。」
そして、隣にない真咲の温もり。
はぁ、またか…。
そう思い、悲しみに浸りながらケータイの電源を入れる。
すると真咲からのメッセージが入っていた。
【今日は早いから先に仕事行ってくる。帰るときまた連絡するから】
こんなこと、久しぶりだった。
わざわざメッセージを入れてくれるなんて、いつぶりだろうか…。
「なんだろう…最近幸せ過ぎて怖いなぁ…」
そう呟きながら幸せな気持ちでケータイをギュッと握りしめた。
「俺も…仕事しなくちゃ。」
俺の仕事は理容師で、家をでて15分程でつく所に仕事場がある。
主にすることは客のヘアカットやカラーリング、たまにマッサージをしたり…まぁ、こんな感じだ。
「…はやく着替えよ。」
今日はいい笑顔で仕事を出来る気がした。
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