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第51話

(真琴ver.) 「ンン…。眩し……。」 重い瞼をこじ開け、重い体をのそりと起こす。 頭痛が凄い、吐き気も。 「イテテ…。うぇ、気持ち悪ぅ……」 トイレに吐きに行く気にもならない。 すると、台所から真咲の姿がみえた。 「あ、起きた?真琴。ちょっと待って。いま2日酔いの薬持ってきてあげるから。」 「あ、真咲…。うん、ごめん、ありがとう…。」 一言喋る事に吐き気が押し寄せてくる。 もういっそ吐いてしまった方が楽だろうなぁ。 「はい、真琴。薬と水。」 「あぁ、ありがとう…」 「どういたしまして。それより真琴、今日は仕事休み?」 問いかけられたことに対して返事に困る。 そう、それなんだよな。 千奈美さんに今日は休むなんて連絡もしてないし、やばい。 グイッと薬を水で流し込んでから真咲に俺の携帯を取ってくれるよう頼んだ。 「ちょっと待ってね、店長に電話する」 千奈美さんを電話帳から探し出し、電話を掛ける。数十秒経ったくらいに千奈美さんが電話に出た。 「あぁ、真琴くん?ごめん、二日酔いやばいから今日はちょっと店休むね…。だから今日はゆっくりしてて〜…。んじゃ。」 「え、千奈美さん!?」 言うだけ言われて電話を切られてしまった。 というか、店長と従業員が2人とも二日酔いで店休むって…。 少し殿様商売な気もするか、そこはあえて気にしないことにした。 「休みになったんだ?」 真咲がニコニコしながらこちらに顔を向けてくる。 「うん、そうみたい…。でも、二日酔いだしなぁ。ただダラダラ過ごすのかぁ…。」 せっかくの休日が勿体ない。 吐き気など気にせず出かけるべきか。 「しょうがないだろ。ちゃんと今日は休め。」 不意に頭をポンポンされる。 「ん…、じゃあ俺またちょっと寝る…。」 「そう、起きたら呼んで。」 「うん。わかった。」 少し幸せな気持ちで俺はもう一度眠りについた。

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