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第59話

「町田〜、合コン来てくれよー、お前来ないと盛り上がらないんだって〜!なぁ、頼むよ〜!」 大学2年生に成り立てだった俺に友人が「合コンに参加してくれ」と頼んでくる。 もちろん、面倒くさいし、行きたくない。 「マジで!一生のお願い!」 「あぁー…。合コンねぇ…。分かった、行くよ。」 「え、マジ!? さんきゅー!」 でも、猫被りな俺は快くOKを出した。 「んじゃ、時間と場所は後で教えっから!」 「ん、わかった。」 喜びながら駆け出して行く友人を笑って見送る。 面倒くせぇ…。 「合コンなんかしないでも俺は余裕だっつの。」 俺はαなんだ。 選ばれた人間であって、人生苦労することは無い。 そう思っていた。 「とりあえず帰って寝るか。」 夜は用事が出来てしまった為、早めに大学を出ることにした。 ────────────── ──────── 「初めましてぇ〜♡ 町田くん、となりいいかなぁ?♡」 1通り自己紹介が終わって酒を飲んでいると臭い香水の臭いを振りまくブスが隣りに来た。 寄ってくるな、気持ち悪い。 「あぁ、いいよ、どうぞ。」 どこか逃げ場所は無いか。 そう思っていた時、急に肩をトントン、と叩かれる。 「すみません、ちょっとトイレの場所が分からなくて…、もしよければ案内してもらえませんか?」 金髪のフワフワした男がトイレの場所を尋ねてきた。 「え、あぁ。分かりますよ、こっちです。」 俺はその男を連れて店の座敷から出た。

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