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第11話
「え、隣…、え、あ、薬……っ」
俺はもう何を言ってるかわからない。
驚きすぎて話がまとまらない。
「ん?薬いるん?自分ち隣やのに?」
コイツ…、核心をついてくるな…。
「えと、その…。お願い、薬、ちょうだい…っ」
何も聞かないでの意を込めて言った。
「んー、別にええけど。」
ホッ、と俺は胸をなでおろした。家には入れてくれるらしい。良かった。こんな姿、真咲にバレるわけにはいかない。
カツン、カツン。
誰かが、階段を登ってくる足音がした。
そっと、下を見てみると
「まさ、き…っ!」
やばい。これはやばい。多分、俺を追いかけたけど見つからなかったから戻ってきたんだ…。
「鮫島っ、お願い、家に入れてっ!」
俺はもう焦りすぎて震えだした。
「ん、?お、おぉ、わかった。」
鮫島は自分の家の鍵を開けて俺を家に招いた。
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