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第13話

「なぁ、なんであんたフェロモンダダ漏れなん?」 そんなのこっちがききたい。 今までフェロモンに気付かれたことなんか、真咲が番になって以来、なかった。 どうしてこいつにはわかるんだ。 「あ、まさかあれか〜?俺がお前の『運命の番』やったりしてなぁ〜」 目の前でケラケラ笑うコイツ。 あながち、嘘でもないと思った。 運命の番とは、ただの番とは違う。実際、自分の運命の番と出会う確率はほぼ0.1%未満。 そんな確率が低い相手、見つかるわけない。 まず、俺の運命の相手はずっと真咲だと思ってきた。こいつなはずない。俺の番は…、真咲だ。 でも、番がいる俺がフェロモンを発しているという事は、まだ出逢えてないんだ。運命の相手、本人に。そして、番のいるオメガのフェロモンに気付けるのが、本物の番。運命の番だけ。そして、こいつにはその匂いがわかってる。 「なぁ、お前…「錦でえーで。」」 途中で言葉を遮られる。でも言われるがままは嫌だ。 「なぁ、鮫島。なんでお前には俺のフェロモンが香るんだ?」 鮫島の目をまっすぐみる。 「その目、そそるわ…。」 「え?」 バッ!と、ベッドに押し倒される。 「ぅわっ!ちょっ、やめって…っ!!」 「なんで俺には匂いがわかるかって?教えちゃろか?それは俺がお前の『運命の番』やからや。」 俺の上に馬乗りになり、不敵な笑みを浮かべた鮫島の目は、すでに野獣の様だった。

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