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単調な揺れ。 流れるアナウンス。 車窓の外を速やかに過ぎゆく宵闇の街。 周囲はいつも通りなのに雄太の身には非日常な出来事が訪れていた。 背後に立つ若い男に好き放題に尻を揉まれ、挙句の果て、正面にも手が回されて……。 うわ、嘘だろ、ちょっと待って……。 制服越しに股座へと伸びた手が性器を撫でる。 形を確かめるように掌で押し包んでくる。 がたんごとん…… 白い手はファスナーを下ろすと、今度はボクサーパンツ越しに性器をやらしく撫で擦ってきた。 うわ、嫌だ……。 変態の人に触られて、勃つなんて、最悪だ……。 詰襟の内で肌がじわりと汗ばむ。 男にいいように触られて勃起してしまった高校生の雄太は必死で息を殺した。 やばい、元カノよりうまいんですけど、この変態の人。 ああああ、絶対パンツ染みになっちゃってるよ、これぇ……。 がたんごとん…… 香水、髪の整髪料、汗、様々な匂いに満たされた車内で密かに上り詰めさせられていく。 下着越しの愛撫のみで綿生地をカウパーで無様に濡らし、十一月の肌寒い季節に必要以上に発汗して、上擦りそうになる呼吸を懸命に堪えながら。 「次は××駅……」 降りる駅が次に迫り、雄太は焦燥し、男をもう一度顧みた。 男はすでに目線を上げていて雄太と視線を交わす姿勢でいた。 「次だよね、知ってる」と、小声で雄太に囁いた……。

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