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3-メリクリ女装で眼鏡の女王様
「クリスマス、どうしようか」
和泉に問いかけられて雄太は特に真剣に考えるでもなく、へらっと笑い、答えた。
「和泉さんの女装が見てみたいな、な~んて……」
ミニスカサンタさんの格好とか似合うんじゃないかな、この人。
色白いし、細いし、なんてったって綺麗な顔だから。
まぁ、もしも本当にそんな格好したら、ただのエロサンタさんと化しちゃうだろうけど。
「わかった」
「えっホント?」
「雄太君のお願いだもの」
汗に塗れた皺だらけのシーツの上で眼鏡をかけ直した和泉は微笑んだ。
素っ裸でうつ伏せに寝そべり、ラブホのベッドで数学の宿題を見てもらっていた雄太は「やったぁ」と前にもまして上機嫌に。
自分がどんな目に遭うのかも知らないで……。
クリスマス当日。
和泉は確かに女装してくれた。
雄太の想像を遥かに超えた出で立ちをラブホの一室で披露してくれた。
「奮発して買い揃えたんだよ」
細い足にはオーバーニーでエナメル素材のピンヒールが鋭いロングブーツ。
体の線が露骨にわかるタイトなミニのレザードレスを装着し、両サイドには編み込み付きのスリットが入っていて、太腿の際どいところまで覗いている。
両手首には革製のグローブを嵌め、覗く五指の爪にはマニキュアが丁寧に塗られていた。
道理で準備が長かったわけだ……。
「どうかな、雄太君?」
ストレートのウィッグから爪先まで黒ずくめの和泉に雄太は言葉も出なかった。
サンタさんどころではない。
女王様のお出ましだ。
「眼鏡は許してね、コンタクトって苦手で」
眼鏡をかけた女王様は慣れないはずのヒールでありながらも、滑らかな足取りでベッドまでやってきた。
女王様に必需品なもの、それは、下僕。
「雄太君も似合ってるよ。その拘束具一式」
ゴルフボールにも似た球つきの口枷を咥えさせられ、両手首は手枷でベッドに拘束され、素っ裸で首輪つきの雄太は、本当に声を出せなかったのである。
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