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「なぁ、いいんだろ?」 「や……いや……やっぱり、やめて……」 「コラぁ、タチ悪いって、ここに座ったらさ、覚悟決めなきゃな?」 握り締めた手を卑猥にもぞもぞ動かすと、今度は彼の腕に爪を立て、和泉はピクンと肩を揺らした。 しかしその爪は、まるで子猫が戯れに主人を引っ掻くように、まるで無力で。 凍えた冷気の中、滑らかな頬を紅潮させて、唇を赤く濡らして。 怯えた眼差しはとんでもない色気を孕み始めていた。 「いや……やめて……怖い」 それでも拒む台詞を続けるのが、また、興奮を煽って。 彼はコートのボタンを外し始めた。 「寒いけど、すぐ熱くしてやるよ……っと」 耳元に吐息と共にそんな言葉を吹き込まれて、和泉は、ぎゅっと目を瞑った。 ボタンを外しきってコートの前を開くと、次は、ベルトに手がかかる。 カチャカチャと金属の揺れる音が静寂にやけに響いた。 ジィィッと、ファスナーの下ろされる音も。 それだけで声を詰まらせた和泉の小さな鳴き声も。 「顔、上げろ」 言われた通り、おっかなびっくりに和泉が従うと、ツバが邪魔にならないよう顔を傾けて、彼はキスしてきた。 「んふ……ぅ」 閉じられていた唇に舌先がぬるぬると纏わりついてくる。 無理矢理開かせて、中に、滑り込んできた。 くちゅくちゅ、ぴちゃぴちゃと、口腔を鳴らして、唾液を送り込んでくる。 その間も下着越しに和泉のペニスを愛撫していた。 和泉は足を閉じたり、開いたり、時には腰を突き上げて摩擦を強めようとした。 「はは……やるじゃん、淫乱さん?」 「……ちが……んっんっ」 反論しようとした和泉の一番の性感帯である唇に噛みつき、強めの愛撫を施して、不要な理性を喉奥へと押し戻した。 がさがさっ はぁ……はぁ…… 時折、ベンチの周囲で否応なしに傍観者の気配を感じた。 「ほら……見られてるよ……あんたの善がってるとこ」

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