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「はぁ……ぁ……ぁ……っ」
『右手、もうびちょびちょ?』
「ん……っびちょびちょ……」
『おちんちん、どくんどくんって、脈打ってる?』
「んんんんっ……ビクビクしてる……!」
左手に受話器を持ったまま、ガラス面に左半身を押しつけ、雄太は手コキに夢中になっていた。
火照りは熱源と化して掌の内側で昂っている。
滑った音色が狭く静かなボックス内で反響する。
『ね……雄太君?』
「ふぁ……っふぁいっ?」
『両手でおちんちん、しごいてみようか?』
「え……で、でも……っ」
『受話器、電話機の上に置いて、僕の声が聞こえるように、雄太君の声が僕に聞こえるようにして?』
雄太は即座に和泉に言われた通りにした。
受話器を落ちないよう電話機本体の上に置くと、前屈みとなってそのそばにうつ伏せる。
受話器の重みで痺れかけていた左手もペニスに添えた。
『聞こえる、雄太君?』
「ふぁ……き、きこえます……」
『僕も聞こえる』
左手で先端っぽ全体、カリ首も擦りながら、右手で竿をしごいてごらん?
尿道もいじって、睾丸も揉みながら、ね?
変態属性の和泉の手コキ指示に純粋な雄太は従う。
「はぁぁ……っあっあっいいっ」
『雄太君、可愛い』
「ひぃん……い……和泉さぁん……っ」
『ほら、もっと尿道、ぐりぐりしないとね?』
「あ……ふぁい……っぁぁああっ、きもちいぃっっ」
『ぐりぐり、気持ちいい?』
「ひぃれすっ」
『裏筋、もっと摩擦してごらん?』
「ふにゃ……っひぃよぉ……っ」
百八十センチに近い長身で細身の筋肉質、短髪の少年が電話ボックスで手コキに耽る。
和泉は常夜灯に淡く煌めく自身の唇を舐め上げた。
『しごいて、もっとしごいて、そして』
いってごらん、雄太君?
雄太は喘ぎ声を我慢できずにペニスを両手でしごき立てた。
亀頭をしごきながら竿をしごく。
とにかく一心にシコシコ、シコシコした末に……。
「ああぁぁ……いずみさぁん……!」
公園内の電話ボックスで一人射精した。
びゅるびゅると左手に精液を流し込み、立っていられずに、ずるずると下へ崩れ落ちていく。
その時。
電話機が甲高い音色を上げたかと思うとゼロになったテレフォンカードを突っ返してきた。
雄太は涙目でぱちぱち瞬きする。
まるで舌を出した電話機にからかわれているような。
「雄太君」
そこに受話器越しではない、生の、和泉の声が。
覚束ない視線を向ければ電話ボックスの扉を開いて、和泉が、携帯片手に公園の闇を背にして立っていた。
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