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たった先ほどまで周囲をしつこく警戒し、和泉と距離をおいて外で一人きりという不安に苛まれてびびっていた雄太だが。 今はもう、この狭い電話ボックスの中が全世界のように思えて。 受話器から流れてくる和泉の声と下肢に蹲る興奮だけが鮮明で。 『直に触って……?』 その欲求を喜んで遂行した。 ジーンズのホックを外し、前を寛げるや否や、テント気味のボクサーパンツの中に右手を突っ込む。 指先にぬるっとしたカウパーの感触。 『もう濡れてる?』 「濡れて……ます、先っぽ……」 『音、する?』 指を絡ませれば、ぬちゃ、くちゅ、湿った音色が。 「あ……してる……っ」 『雄太君って本当濡れやすい体してるね』 「ご……ごめんなさぃ」 「褒めてるんだよ? ね、取り出して?」 ジーンズはそのままにボクサーパンツの前だけをずらし、布地に引っ掛かっていたペニスを外気に取り出した雄太。 ぼやけた明かりの下でぬらりと濡れた先端が光る。 「和泉さん……俺のオチンチン、いっぱい濡れちゃってる」 『そう。僕がそこにいたら、もっと濡らしてあげられたんだけど』 「……俺のオチンチン、もっと、濡らしてくれるの?」 『もちろん……頬張って、しごいて、僕の口の中でたっぷり濡らしてあげる』 ぞくぞくぞくぞくぞく 鼓膜から全身に甘い震えが忽ち伝染する。 堪えきれず、雄太は、我が身をシコろうとした。 『まだ手コキしちゃ駄目だよ?』 「えっ? なんでっ?」 『堪え性つけないとね?』 「や……やだっ! むり! むりむり!」 『……』 「……和泉さぁん」 カウパー塗れの勃起したペニスをしごくにしごけずに、雄太は、右手を虚空でひくつかせた。 『……意地悪してごめんね、雄太君?』 いっぱい、いくまで、しごいていいよ?

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