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切なげに眉根を寄せてぷるぷるする雄太にくすっと笑い、和泉先輩は、ゆっくりと立ち上がった。 雄太が抱えていた本を速やかに適当に棚へ戻すと、オレンジ色の明かりの元、緩やかな仕草で。 雄太の目の前でベルトを、ホックを、ファスナーを外して。 すとんとスラックスを足元に落とした。 「……」 下肢を露出したまま声も出せずに硬直している雄太を色っぽい眼差しで見つめながら。 品のいいパンツまで、するる……と膝上まで下ろしてしまうと。 棚と向かい合い、雄太に、背を向けた。 「……来てくれる、雄太君?」 目の前で和泉先輩がお上品にすとりっぷしていく過程に、正直、さらに我が身を硬くした雄太。 彼の健全なる証がどくどく脈打ち始めている。 にじり、にじりと近づいて、お初にお目にかかる和泉先輩の白い生尻に思わず生唾を飲み込んだ。 柔らかそうな尻たぶの狭間でひくついている、和泉先輩の、後孔。 ……先輩、こんなところまで綺麗なんだ。 感動した雄太は乱れそうになる呼吸を必死で整えて。 図書館の片隅にて愛しの和泉先輩と初合体した。 耳を済ませれば聞こえてくる、肌が肌を打つ、規則的な音色。 勉強や読書に意識を集中させている生徒には聞こえない淫らなリズム。 並列する棚と棚の間で雄太は和泉先輩との初合体に夢中で励む。 「くはぁ……っん」 我慢していても、どうしても雄太の口からは欲情しきった吐息が洩れ出る。 棚にしがみつき、腰を突き出した和泉先輩は、喉奥で嬌声を留めながらも時に年下の恋人に甘く囁いてやる。 「いいよ……雄太君……すごく上手……」 「ほ……ほんとぉ……っ?」 「うん……おちんちん、僕の奥まで……届いてるよ?」 熱い粘膜にきゅっと抱かれた雄太のペニス。 すごく、すごく、気持ちいい。 ブレザーとシャツを捲り上げて掴んだ細い腰の感触も、なんとも言えなくて。 上擦った囁きも昂りに追い討ちをかける。 視線を下ろせば、普段は閉ざされている後孔をいっぱいに抉じ開けて、激しく行き来している自分自身が視界に写り込んだ。 和泉先輩の身も心も自分のものだという幼い征服欲で脳内が満たされる。 「はぁぁあ……せんぱぁい……っ」

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