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シドは雄太のことを気に入っていたが、当然、飼い主の和泉のことも好きだった。 「あ……シド……」 ベッドで優しく雄太を慰めていた全裸の和泉に触手が。 なだらかな曲線を描く背中をつぅぅ……と伝い、細い腰から、かたちのいい尻丘へ。 細めた先っぽでぬるぬる舐めるように後孔を撫でてきた。 「だめだよ……こら……やめなさい」 和泉の慰めに身を任せてぼんやりしていた雄太は。 霞んでいた視界がふと鮮明さを取り戻し、飛び込んできた光景に目を見開かせた。 雄太のものを四つん這いになって唇でご奉仕中の和泉の尻にまっぴんくの触手がうねうねたかっているではないか。 「こ……っこらぁぁぁぁあ!!」 雄太はクッションで触手を追い払う。 お気に入りの雄太の剣幕に、シドは、ベッドからびくびく退散する。 「和泉さんはだめ!! 和泉さんは俺のなの!! 俺になら何したっていいけど和泉さんには触るな!!!!」  「……雄太君……」 滅多に見られない雄太の怒りっぷりに和泉は見惚れた。 「あいつにちゃんとわからせないと……っ和泉さんと繋がっていいのは、俺だけだって……!」 「あ……っ雄太く、ん……」 やや早急な展開で雄太は和泉に熱源を突き入れた。 和泉は雄太を抱きしめる。 「はぁ……ぁ……和泉さん……!」 「ん、いいよ……きもちいい……」 シドは好きな二人がベッドで縺れ合うのを見ていた。 寂しい。 とっても、寂しい。 蚊帳の外とは正にこのことか。 お利巧なシドは先ほど雄太が言い放った台詞をちゃんと理解していた。 そして。 いぼいぼ触手をゆっくりとベッドの方へ。 「…………!!!!!!」 雄太は声にならない悲鳴を上げた。 いきなり後孔にいぼいぼ触手をずぼっと突っ込まれて、一瞬、目の前がスパークした。 「……ぁ……ん……雄太君のおっきくなったね……」 はぁはぁ息を乱しつつ、なんとか意識を手放さないようぐっと歯軋りし、雄太はぶるぶるぶるぶるしつつ視線を下に向ける。 「……なか……雄太君のおちんちんでいっぱい……」 目を閉じた和泉が恍惚感を露にした色めいた表情で緩やかに身悶えている。 和泉さん、俺、失神しないで頑張ります!! いぼいぼ触手で前立腺をごりごり刺激されながら、雄太は、思いの丈をここぞとばかりに和泉に、正確には和泉のお尻にぶつけた。 はっきり言ってこれはもう許容範囲を超えている。 しかし和泉への溢れる思いを精神の拠り所にして、必死に、がむしゃらに腰を突き動かした。 「あ、あ、あ、も、もぉだめぇぇっ……和泉さぁぁ……ん……!!!!」 「んっ……ゆ、ぅたくん……!!」 「ほら、見て、雄太君?」 和泉は小声で雄太を隣に招くとシドを指差した。 「ほら、シドが寝てる」 「……これ、寝てるの?」 壁一面に触手をびっしり這わせていて、寝ているのか、そうでないのか、ちっともわからない。 「壁が冷たくて気持ちいいから、こうしてくっついて寝てるみたい」 「へ……へぇ」 「可愛いでしょ?」 ごめんなさい、和泉さん、やっぱりシドはどう見たって可愛いとは思えません。

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