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10-もしもショタ美人痴漢とチェリー雄太だったら編

それはびっくり仰天の告白だった。 高校生の尾上雄太に想いを告げてきた相手、それは。 「電車の中でずっと気になってて、乗ってない日は、病気か怪我でもしたのかなって、すごく心配になって」 頭の良さそうな、お利口そうな、優等生の雰囲気をぷんぷん漂わせる少年。 私立の制服を着ていて、銀縁の眼鏡をかけていて、その年代にしては完成された綺麗な顔立ちをしていた。 そして背中には見紛うことなきランドセル。 「ぼくと付き合ってほしくて」 プラットホームの隅でただただ驚いていた雄太ははっとする。 上目遣いに少年に見つめられて、妙に色気あるその眼差しに、思わず赤面してしまう。 可愛いな、この子。 女の子みたい。 まぁ、半ズボン履いてるから、悲しいことに男なんだけど。 しかもすごく年下だ。 でもなんかそんなことどうでもよく思えるくらい、この子に見つめられてたら、どきどきする。 「……俺でよかったら……」 夕日の差すプラットホームの片隅、しどろもどろな雄太の答えに、少年は大人びた微笑を浮かべた。 少年の名前は和泉といった。 和泉少年は雄太に「べた」がつくほど惚れていた。 隠し撮りした雄太の写真をフォルダに溜め込み、夜な夜なそれを眺めてはベッドの上で妄想を爆発させる、実に早熟なオトコノコだった。 「ねぇ、雄太くん、あそこ行こう?」 遊びに出かけ、街をぶらぶらしている最中に和泉少年が指差した先を見、雄太は飲んでいたジュースを噴出しそうになった。 見紛うことなきラブホテル。 動揺している雄太を余所に、和泉少年は彼の腕を引っ張り、どんどんラブホへ。 木々や塀にうまい具合に閉ざされた出入り口を進み、慣れた風にパネルから空室を確認し、適当に選んだルームの鍵を取り出す。 あれよあれよという間にベッドがでんとあるシンプルな部屋に行き着いた。 「和泉さん、まさかだけど、来たことあるの?」 年下とは思えない、落ち着いた物腰の和泉少年を雄太はいつも「さん」付けで呼ぶ。 きょろきょろしているそんな彼に和泉少年は微笑んだ。 「雄太くん初めて?」 質問をはぐらかされたことにも気づかずに雄太は赤面して口ごもる。 「初めてっていうか……まぁ初めてだけど……」 初めても何も、これまで誰かとお付き合いしたことすらない、ちぇりーな雄太。

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