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11-もしも雄太がショタになったら編

「雄太君、その姿、一体どうしたの?」 「わ、わかりません、朝、起きたら……俺、ちっちゃくなっちゃってて。どどどうしよう」 「ああ、雄太君、泣かないで?」 「うう、ひっく、和泉さぁん」 いきなり小学校高学年の頃の体型に戻ってしまった雄太は、とりあえず昔の服を引っ張り出し、両親と二つ違いの兄にばれないよう自宅を抜け出すと。 大好きな恋人の元へ涙ながらにやってきたわけである。 「ね、落ち着いて?」 唐突なる恋人の退化に驚いた和泉であったが、元より年嵩の人間である彼は当人よりも先に落ち着きを取り戻し、励まそうとする。 「う……うん」 さり気なく痩せ型の筋肉質、身長は百八十手前だったはずの雄太。 今はすっかり縮んでしまったものの、半ズボン、半袖から覗く手足は伸びやかで健康的で、とてもやんちゃそうで、正にクラスの人気者というポジションにいそうな雰囲気だった。 本当、どうしよう。 もし元に戻らなかったら、ずっとこんなこどものままだったら。 和泉さんに相手してもらえなくなる。 エロくて変態で痴漢までするあの和泉さんがちっちゃいこどもに興味あるわけない……。 「雄太君、大丈夫だよ、元気出して?」 「……うん」 「今朝は何か食べたの?」 「え? ううん、食べてないです」 「じゃあ持ってくるね」 ああ、がきんちょの俺にも優しくしてくれるなんて、和泉さんってただの変態ってわけじゃなかったんだ。 感激していた雄太の手元に届けられたのは、バナナ、だった。 ……え? バナナ? ……いや、別にまぁバナナでも特に問題ないですけど。 「あれ、バナナ、嫌いだった?」 和泉が首を傾げて尋ねてくる。 雄太は慌てて首を左右に振ると、皮を剥いて、もそもそ食べ始めた。 「……」 あの、近いんですけど、和泉さん? なんでそんな凝視するの? ちょっと怖いんですけど。

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