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「どうしたの? やっぱりバナナ嫌いなの?」
やたら至近距離から雄太がバナナを食べるのを見守る和泉。
心なしか息遣いが荒いような。
……どうしよう、和泉さん、興奮してる?
……俺がこどもになって、変なスイッチ、入ってる?
くんくん
うわ、匂い、嗅がれてる。
変態度、倍増してない?
「バナナだけじゃ足りないよね? 棒アイス食べる?」
何で棒なんですか。
カップじゃ駄目なんですか。
「今の雄太君、見ているだけで気持ちいいよ」
え、なにそれ怖い、どういう意味?
はぁはぁはぁはぁ
息また荒くなってるし、発汗してるし、いつもの和泉さんと様子が違う。
あれ、もしかして俺、されちゃう方?
とうとう和泉さんに処女奪われちゃう?
(※バイブは経験に入れていない雄太)
「ああああの、和泉さん、れ、冷静に」
「はぁはぁ、雄太君」
これじゃあ、夜な夜な電柱の影で待ち伏せしてるようなただの変質者と同じ類になっちゃうよ、和泉さん!
子供の雄太は大人の和泉に容易に組み敷かれた。
強張る雄太の表情にさえ痛いほど感じて、和泉は、危うい欲望に漲る双眸をとろんとさせる。
「ね、雄太君……」
いつにもまして艶がかった声。
雄太は覚悟を決めてぎゅっと目を閉じた。
「ね、抱いて?」
ぎゅっと閉じていた目を雄太はすぐさま見開かせた。
和泉は発情しきった眼差しで愛しげに雄太を見下ろしていた。
「僕のこと今すぐめちゃくちゃにして?」
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