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13-もしも美人痴漢と雄太がW先生だったら編
体育倉庫から聞こえてくる声に見回り中だった体育教師の尾上雄太は眉根を寄せた。
細く開かれた扉、足音を忍ばせ、明かりの消された倉庫内に懐中電灯を向けてみれば。
「!」
光の輪の中に浮かび上がったのは。
数人の男子生徒と、彼らに囲まれるようにしてマット上に座り込んでいた、保健室の先生なる養護教諭の和泉だった。
「和泉先生……」
驚きの余り立ち尽くした雄太の傍らを、乱れていた着衣を直しながら慌ただしく走り去っていく男子生徒達。
我に返り、雄太が彼らの後を追おうとすれば。
「尾上先生っ」
雄太は和泉の呼びかけにぴたっと足を止めた。
強張った顔で、懐中電灯を消すと、倉庫に足を進めて点灯する。
「っ……」
薄暗い室内に視界が慣れていた和泉は眩しそうに片手を翳した。
白衣に、ワイシャツ、ストライプのネクタイ。
下には何も履いていない。
靴下だけを身につけ、股間は、ワイシャツの裾に隠れてはいるが。
白濁した体液が白い太腿に点々と散っているのが、雄太にも、見て取れた。
うそだろ……。
和泉先生、今の生徒達に乱暴……というか……レイプされたのか?
マットに座り込んだままの和泉はこげ茶色のさらさらした髪をかき上げ、すまなさそうに、突っ立ったままでいる雄太に微笑みかけた。
「ごめんね、尾上先生、こんなみっともない姿を見せて」
露出した太腿を擦り合わせて、前屈みとなり、覗き込むようにして見上げてくる。
なんだか直視してはいけないような気がして、どぎまぎして、雄太はあらぬ方向を向いた。
「いえ、そんな……あの、大丈夫ですか?」
「うん。ただ服が……その辺に落ちてない?」
「えっと、あっ、ありました」
跳び箱近くに落ちていたスラックスを拾い上げ、何故か申し訳なさそうに下着をそっと握ると、雄太は相変わらず落ち着かない視線で和泉の元へ。
「ありがとう」
完全に女性への対応そのもので、雄太は、辟易してしまう。
どうしたらいいのか、教頭先生に報告するべきなのか、いろいろ聞いていいものか逡巡していたら。
「ごめん、尾上先生、ちょっと手を貸してくれるかな」
和泉にお願いされた雄太は慌てて手を伸ばす。
ぎゅっと掴まれると、より、どぎまぎした。
一人で立ち上がるのもきついくらい、さっきの生徒達に、和泉先生は……。
「あ」
和泉が妙な声を上げた。
どっきーんとした雄太、恐る恐る、背けていた視線を正面に向けていく。
雄太にしがみついた和泉は中腰で静止していた。
滑らかな内腿を、音もなく、ゆっくりと伝い落ちていく白濁。
「ああ、尾上先生に、こんなみっともないもの見せて……本当、ごめんね?」
一瞬でかちこちになった雄太に、和泉は、意味深な微笑を浮かべた……。
「最近の高校生って早漏なのかな」
「わ、わかりません……」
「挿れて、ちょっと腰を振っただけで、暴発しちゃうんだよね」
「……ご、合意だったんですか?」
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