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13-2
「僕は練習台になってあげただけ」
雄太はついそちらに視線を向けた。
マット上では和泉が男子生徒による粗相の処理中であり。
尻の狭間で中指と薬指がぬぷぬぷと卑猥に蠢いていた。
すぐに赤面して顔を背けた雄太に、和泉は、くすっと笑う。
……俺、何してるんだろう。
いきなり和泉先生がアレを始めて、なんか、帰るに帰れなくなったっていうか。
別に放置してもいいんだろうけど、でもやっぱり気になるし。
だけど合意の元って、それもそれで問題だよな。
「ん、っ」
雄太はまたどっきーんとした。
背けていた視線を、ぎこちなく、そぉぉぉっと、アレをしている和泉の方へ寄せていく。
和泉は背後の跳び箱に背中を預けて座っていた。
目を閉じ、気だるそうな表情で、立てた両膝を緩く開き、二本の指を蠢かせている。
指は根元まで入っているようだ。
くちゅくちゅくちゅ……さっきからずっと卑猥な音がしている。
「ん……」
喉奥から洩れる声が堪らなく色っぽい。
気がつけば、雄太は、和泉をガン見していた。
こ、股間が痛い……。
ぼ、勃起しちゃった……。
「……尾上先生」
視姦されていることに薄々気づいていた和泉、ゆっくりと瞼を持ち上げれば、虎視眈々と狙っていた標的がすぐ真正面に迫っていた。
ああ、やっと手に入る。
和泉はさらに足を開いて、肉奥を潜る指先は休めずに、年下の体育教師を招く。
招かれて、逆らえずに、雄太は。
年上の保健室の先生に口づけた。
「……ん……んぅ……っ」
焦ったように夢中でキスしてくる雄太に和泉はうっとりと唇を委ねる。
不純同性交遊にいくら耽ろうとも決して明け渡さなかった性感帯を。
空いていた手で髪を撫で、梳いて、抱きしめて。
すでに乱れていた愛しい息遣いを直に堪能した。
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