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和泉は雄太にぎゅっと縋りついた。
白衣をマットに広げ、髪を乱した彼は、息を荒げる雄太にそっと微笑みかけた。
きゅううううん…………
雄太の胸底はぎゅっと締めつけられた。
自然と唇をまた重ね、微熱を奏で合いつつ、腰を振る。
「あ……っこれ、すごい……!」
「ん……もっと、尾上先生……」
全身をつかって和泉を揺らめかせる。
カウパーなる愛液でもって粘膜を潤し、自分のかたちを覚え込ませる。
「ん……!」
途中、体位を変え、対面座位で交わった。
その間ずっとキスしていた。
舌先同士を繋げて濃厚な戯れに唇も下肢も濡らしまくった。
……和泉先生、唇が一番感じるのかな。
……キスしてるとき、すごく、気持ちよさそうだ。
……俺は全身が性感帯みたいになっちゃってるけど。
とりとめのない雑念に及んでいられたのも束の間で。
段数の低い跳び箱の最上部に和泉を仰向けにし、雄太は、滾る粘膜に連続して熱源を打ちつけるのに心身を痺れさせた。
もう何も考えられない。
和泉先生に出し尽くしたい……。
「あ……和泉先生……!」
呼号される度に感度が増して、その熱に蕩けて。
手に入れた標的を手離すまいと、和泉は、雄太の首筋に痕を残すようにきつく口づけた……。
実際、痕はくっきり残ってしまった。
「い、和泉先生、これ、キスマークってもろばれですよね?」
「そんなことないよ? わからないと思うけど?」
「本当ですか~? それならいいんですけど……」
自分の言葉を鵜呑みにした雄太に、内心、和泉はほくそえんだ。
それはね、害虫除けだよ、僕だけの尾上せ・ん・せ・い?
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