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「ふふ。もっとお口で搾取していたい気もするけれど」 夕日で茜色に染まった障子。 乱れた布団、い草の香り。 非日常な空間の中心にいるイズミ狐は、狐耳をしんなりさせ、雄太に再び乗っかってきた。 「そろそろこっちのお口で搾取しようかな、ね、雄太君?」 未だ高校生らしからぬ硬度を保ったペニスに細長い指先を添え、上向かせると。 浴衣を捲り上げて曝した、ふさふさ尻尾つきの白い双丘の狭間にぬるりと宛がって。 そのまま、後孔へ、誘い込む。 「ああ……夢にまで見た雄太君のおちんちん、はいってくる……」 胸を掻き毟りたくなるような締めつけに、ど赤面した雄太がはぁはぁ息を乱す中、イズミは艶然と喉を反らす。 太くも痩せてもいない、絶妙な肉付きの太腿が合わせ目から露出した。 満遍なく潤う唇からため息が零れ出る。 「……とっても……いいの……」 根元まで深々と誘い込んだイズミは熱く湿る肉粘膜で雄太をじっくり味わった。 体内で直接伝わってくるその硬さ、太さ、温度に背筋を過敏に波打たせる。 「雄太君はどう……? 僕のなか、気持ちいい?」 喘ぐ雄太はろくな反応ができずにいる。 身の内で一段と発熱する彼自身から答えは聞かなくともわかっていて、イズミは、微かに声を立てて笑う。 「そうだね、僕のなかでまたこんなに大きくしてるし……ここも可愛く勃起してる」 「ひぎゃぁ!」 乳首をきゅっと抓られて思わず悲鳴を上げた雄太。 そんな反応を愛しげに見つめたイズミはおもむろに上体を倒した。 「ひゃ……っぁ……ちょ、乳首はほんとむりぃぃ!!」 後孔の締めつけに悶えている最中、胸の尖りを正に動物じみた仕草でイズミに舐め上げられ、雄太は歯を食い縛った。 もどかしい刺激の反動で乱暴に腰を突き上げてしまう。 曝された太腿にぐっと五指を食い込ませ、奥の奥まで蹂躙してしまう。 イズミの狐耳と尻尾がぴくぴくぴくぴく揺れた。 「あ……っそれ、気持ちいい……雄太君、もっと、乱暴にして?」 「っ……イズミさん……」 その時、雄太の視界にしっとり濡れたイズミ自身が写り込んだ。 充血してほんのりバラ色に染まって透明な雫を浴びている。 「犯すみたいに、思う存分、叩きつけていいからね?」 一つになった二人の影が障子の上で揺らめいている。 「また……なかにしてほしいな」 布団の上、座位で向かい合った二人。 すでに体内で弾かれた白濁はイズミを掻き回す雄太を伝って、まるで結合部を泡立てるかのように、ぐちゅぐちゅ溢れ落ちている。 それでも発熱は一切冷めやらず、お互い、いつまでも溺れ合っていた。 「また、いっぱい、奥までちょうだいね……?」 「はぁ……っうん、イズミさん……! いっぱい、奥まで、あげますから……!!」 「アぁ……ぁン」 イズミは甘い鳴き声を上げて裸の肩に縋りつく。 雄太は双丘をぎゅっと掴んで、がむしゃらに腰を振る。 濡れ渡った粘膜内をまた新たに濡らそうと、狭まる肉奥を先っぽで激しく連打する。 「あん、雄太くん……」 狐耳と尻尾を頻りに痙攣させ、イズミは、雄太の背中に爪を立てる。 痕が残るよう、深く、深く、深く……。 目が覚めれば神社の境内に設置されたベンチの上だった。 正に狐につままれた気分で雄太は辺りを見回し、雨上がりの冷えた夜気にクシャミをする。 なんだか背中が痛い。 トゲでも刺さったのかな? 何も覚えていない雄太は駆け足で神社を颯爽と後にする。 茂みに隠れていた白狐はぽろっと涙をこぼしながらも、さよならと、その背中に囁きかけるのだった。

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