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17-美人痴漢と新婚さんごっこ

『あ、雄大兄ちゃん? 俺だけど、』 『また今日もお泊まりか、雄太』 『……はい、そのよーです、はい』 『お前ちゃんと避妊してるだろうな』 『へ!!??』 『年上だとしても相手に頼るなよ、自分で買って用意しろ、俺が言いたいのはそれだけ』 二つ違いの兄との通話がプツリと切れた後、手にしたスマホに向かって「さすがの和泉さんでも妊娠は……でも、もしもそんな夢みたいなことあったら……えええ……うふふ……」と雄太は独り言を連発して周囲の通行人に若干ヒかれるのだった。 「こんばんは、お邪魔します、和泉さ、ッ、!?」 土曜日、バスケの部活を終えた雄太は和泉宅へお邪魔した。 いつもと何ら変わりない部活動スケジュールを送った男子高校生を笑顔で出迎えたのは。 「おかえりなさい、貴方」 男なのに白のフリルエプロン姿が何ら違和感ない、男なのに美人顔の変態和泉だった。 『今日、新婚さんごっこしよう?』 午前中に届いたメールを見たときは「???」だったけど。 こーいうことですか、和泉さん……。 「あ、今日もしかしてカレーですか?」 「そう、野菜多めで甘口、お肉はチキンとビーフだよ」 「わぁ、あ、まさかその格好でスーパーに……」 「?」 「いや、なんでもないです」 雄太はおいしそうな匂いに惹かれてスポーツバッグを持ったままキッチンカウンターへ回った。 コンロ上の鍋の蓋を開くと出来上がり寸前のカレーがことこと音を立てている。 「うわ、おいしそう……」 とんとん肩を叩かれた。 振り返ると、新妻役がやや首を傾げ、色っぽい微笑を浮かべている。 「ただいまのアレ、忘れてるよ、貴方?」 ただいまのアレってことは。 慣れない雄太は顔を真っ赤にして、和泉に向き直ると、滑らかな頬にちゅっとキスを。 だがしかし。 端整な微笑を浮かべたまま、和泉は、ゆっくりと首を左右に振った。 「違うよ、雄太君」 「え?」 雄太はキッチンカウンターの向こうで「アレ」にがむしゃらに励んでいた。 眼鏡とエプロン以外、何も身につけていない和泉は、シンクにしがみついて「アレ」を堪能する。 「ああん……帰ってきたばかりなのに、男子高校生だんな様の、貴方の、元気いっぱい……」

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